太陽が真東から登って真西に沈む、昼と夜が同じ日。
そんな日が国民の祝日なのはなぜだろうと思われた事はありますか?
もともと宮中で春分には「春季皇霊祭」、秋分には「秋季皇霊祭」と言われる祖先を祀る大祭があったからなのです。
彼岸(あの世)は西に、此岸(この世)は東にあるとされており、太陽が真東から昇って真西に沈む秋分と春分は、彼岸と此岸(この世とあの世)がもっとも近いとからだそう。
同時に、春分は五穀豊穣を祈り、秋分は実りある収穫に感謝する習慣があり、戦後は、春分は、「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」、秋分は、「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日」となったようです。
なるほど、お彼岸がこの秋分の日を挟んであるのはそういう意味があるのですね。
ところで、「レイライン(ley line)」という言葉を聞いた事はありますか?
tenk.jpで面白い記事を見かけました。
レイラインとは、古代の遺跡や巨石群、神社仏閣などが、不思議と一直線上に並んで位置するように見える現象をいい、1921年にイギリスのアマチュア考古学者によって提唱されました。
単なる偶然なのか、それとも特別な意味があるのか、考古学上のロマンとして人々の想像力を刺激しています。
日本にも、壮大なレイラインがあることをご存知でしょうか。
日が昇る太平洋側に面した玉前神社(千葉)から、日が沈む日本海を目前に望む出雲大社(島根)を結ぶ、700km以上にも及ぶレイラインです。
このライン上には、寒川神社(神奈川)、富士山、身延山(山梨)、伊吹山(滋賀、岐阜)、竹生島(ちくぶしま、滋賀)、元伊勢(京都)、大山(鳥取)といった、日本を代表する聖地が並んでいることがわかります。
東西を貫くこのラインは、春分と秋分の日に太陽の通り道となることから、神道や修験道の世界では「御来光の道」とされ、現在も強力なパワースポットとして知られています。
古より、太陽は世界中で神格化され敬われてきました。神道でも、「天照大神」が太陽神として崇敬されてきた歴史があります。
そのため、太陽が真東から登り真西に沈む春分、秋分の日は特別な日となり、「彼岸」の風習がうまれたのですね。秋分の日が過ぎると昼間が短くなり、季節は冬に向かっていきます。
今年のお彼岸は、太陽の「御来光」を感じながら、ご先祖さまに思いを寄せる、そんな穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
仏教では西の方角に極楽浄土、仏様のいる理想の世界があるとされています。
太陽が真東から昇り、真西に沈む「秋分の日」(「春分の日」)は、あの世(彼岸)とこの世(此岸)が最もつながりやすくなる……。
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